在留条件規制が近隣諸国より厳しくても外国人の求人を望む業界
最近、わが国の完全失業率や有効求人倍率等、雇用状況を示す代表的な指標が好転しているように、雇用環境には明るさが漂っています。この雇用環境の良さを反映するように、国内の人材だけで不足する業界では外国人の採用枠を増やして対処し、業務を続けている業界があるようです。国内で外国人の募集をしても限られた人数しか集まらないため、海外現地に出かけて行って求人募集している程なのです。ところが、わが国同様に外国人の採用を当てにして事業拡大を図っている韓国や台湾等の企業と現地で人材の争奪戦を繰り広げているようなのです。現在、国内で人材不足で困っている業界としては24時間営業の外食チェーンレストランや東日本大震災後の復興建設工事現場あるいは医療や介護を受ける高齢者が増加して対応に追われる医療機関や介護施設等が挙げられています。
これまでのところ、在留している外国人専門技術者や留学生などを採用して急場しのぎをしてきた感がありますが、企業側ではそれでも不足するので人材獲得に苦慮しているようです。しかしながら、来日して働こうとする外国人にとって言葉や生活習慣の壁の他に、わが国がビザやパスポート取得には近隣諸国以上にルールが厳格であること及び入国後の在留期間等の在留条件規制が他国より厳しいことなどがあり、近隣諸国へ行ってしまう傾向が強いようです。その違いが余りに顕著だとわが国の労働市場の攪乱要因にもなることだけに、在留条件規制の中に緩和できる面がないのか、早急に検討する必要があるのではないでしょうか。
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